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「シロアリ被害がある物件」を売却する方法

k-yuko1

更新日:1月10日



住宅とシロアリの関係


日本は木造住宅が多い国です。


林野庁のデータによると、令和3年時点で新設住宅着工戸数に占める木造住宅の割合は、全体の51%を占め、特に一戸建て住宅に限定すると、実に91%を占めるそうです。


そして、その木造住宅の天敵ともいえるのが、シロアリです。


公益社団法人日本しろあり対策協会によると、日本には22種類のシロアリが生息しているそうですが、建築物に被害を加えるシロアリは、主に「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」の2種類です。


ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全域に分布しており、湿気の多いところを好みます。そのため、その被害は木部の腐食と同時に起こることが多く、主に床下など建物の下部に被害を与えます。


イエシロアリは千葉県以西の海岸線沿いなど温暖な地域に分布しています。建物内部に塊状の大きな巣をつくるため、被害の広がる速度が速く、被害程度も激烈です。乾燥した場所でも水を運びながら加害していくため、被害は家全体に及ぶ可能性があります。


 

シロアリの被害がでやすい9つの場所


一般的にシロアリの被害がでやすい場所として、当社が中古住宅を調査する際に特に気をつけて確認する個所は次のとおりです。


1.床下


シロアリは光や乾燥が苦手なので、地中から暗く湿気のある床下の基礎や束石、束柱に蟻道をつくり侵入してきます。


そのため普段は人目につかず、知らないうちに被害が進行していることが多く、床下はもっとも注意すべき個所です。


2.陽が当たらない外部の基礎


床下だけではなく、外部においても陽が当たらず湿気のある場所であれば、基礎に蟻道をつくりシロアリが浸入することがあります。


また、基礎の近くに植木鉢や木材・廃材などを放置している場合、さらにシロアリが侵入しやすくなりますので注意が必要です。


3.水回り(特に浴室)


水回りは湿気が多いためシロアリが好む箇所ですが、特に浴室は要注意です。浴室入口周りの建具枠に小さな穴がいくつか見られれば、シロアリに加害されている可能性があります。


特に在来工法の浴室の場合、タイルのひび割れや目地の亀裂などがあれば、そこから水が入り込むことで木材を湿らせ、シロアリに加害される可能性が高くなります。


また、浴室の窓回りも、水が侵入しやすくシロアリが好みますので要注意です。


4.玄関、勝手口


玄関ポーチの柱が束石を使わず直接土壌に立っている場合、ポーチ柱の内部をシロアリが加害している可能性があります。


また、玄関サッシや勝手口サッシ周りの建具枠に小さな穴がいくつか見られれば、シロアリに加害されている可能性があります。


さらに、古い住宅は框部分の立ち上がりにコンクリートブロックを使用していることも多く、コンクリートブロックの穴からシロアリが侵入し框部分を加害していることもあります。


5.和室


畳はシロアリがよく蟻道をつくりますので、畳を上げてみて、裏側に蟻道がないか確認する必要があります。


6.雨漏り個所


雨漏りをしている個所があれば、そこから雨水が侵入し木材を湿らせ、シロアリが加害しやすくなります。


雨漏り個所の下にある柱や梁、筋交い、間柱などは要注意です。


7.壁が膨らんでいる個所


イエシロアリの場合、家の中にも巣をつくります。


壁が不自然に膨らんでいる場合、壁の中にイエシロアリの巣ができている可能性があります。


8.天井裏


イエシロアリは自分で水分を運び、途中で巣をつくりながら加害していくため、比較的地面から離れた高さにまで被害が及びます。


天井裏にイエシロアリの巣ができていることも決して珍しくはありません。


9.建具の建て付けが悪い個所


建具の建て付けが悪く閉まらない、または閉めても隙間が空くなどの現象がある場合、建物自体の歪みや傾きの可能性もありますが、土台をシロアリに加害され床が下がっている可能性もあります。


 

シロアリ被害がある場合のデメリット


建物の構造上主要な部分(土台や柱、梁など)がシロアリの被害を受けてしまうと、建物の強度が著しく低下し、被害個所の補修や家屋の解体が必要になる可能性があります。


また、シロアリ被害は建物の内部で発生することがほとんどなので、素人が被害の有無または被害の範囲を判別することは容易ではありません。


シロアリ被害は「物理的瑕疵」に該当し、シロアリ被害があることを売主が買主に告知せず売却した場合、「契約不適合責任」を問われ、契約の解除や追完請求、代金減額請求などを受ける場合があります。


 

シロアリ被害がある家を売却する4つの方法


売却をする前に、まずはシロアリ業者による点検を行った方が確実です。


1.シロアリ被害が少ないうちに売却する


シロアリ業者に調査をしてもらった結果、まだシロアリの被害が軽微であれば、被害が拡大する前に売却をするという方法があります。


その際にシロアリ防除工事まで実施しておけば、より一層安心感も増し売却しやすくなります。


2.被害を補修して売却する


シロアリ被害があるものの、まだ補修が可能な場合であれば先に被害部分の補修をし、建物のダメージを回復してから売却するという方法があります。


工事に費用はかかりますが、シロアリ被害を理由とした値下げや断りを回避できる可能性があります。


被害個所の施工前と施工後の写真を撮っておけば、より一層安心感も増し売却しやすくなります。


3.建物を解体して更地で売却する


シロアリ被害が甚大であり、補修するにも過分の費用が発生するような場合は、建物を解体してしまい、更地にして販売するという方法があります。


もちろん解体工事には相当の費用がかかりますが、特にイエシロアリの場合など、被害状況によっては「補修するよりも、解体した方が費用が抑えられる」という可能性があります。


建物を解体してしまえば、契約不適合責任の対象となる建物が存在しないため、売主にとっても安心です。


ただし、再建築不可物件※の場合、既存の建物を解体してしまうと建て直しができなくなりますので、建物を解体する場合はよく検討してから依頼することをオススメします。


※再建築不可物件については【「再建築不可物件」を売却する方法の記事で説明しています。


4.不動産買取業者に売却する


一般のお客様の中から買い手を探すとなると、前述したようにシロアリ被害の補修や解体が必要となる可能性があるため、長期間に渡り買い手が見つからないことも珍しくありません。


不動産買取業者に物件を売却すれば短期間で売却できるうえに、シロアリ被害のために補修や解体の手間と費用と時間をかける必要もなく、不動産のプロが買い取ることで売主の「契約不適合責任」が免責となる特約が入る場合もあり、売主にとって安心です。


 

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株式会社熊本有恒社 さわだ不動産事ム所ホームページ
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