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正しく知って正しく恐れる
感染症は「正しく知って正しく恐れる」必要があると言われます。
感染症とは、ウイルスや細菌などの病原体(感染源)が感染経路を通じて宿主の体内に侵入(感染)し、身体に発熱や下痢、咳などの症状が現れることをいいます。
感染症には人から人へうつる感染症のほか、人にはうつらず傷口から、または動物や昆虫から感染する感染症があり、感染しても症状が出ない場合もあれば、時には死に至るような場合もあります。
感染対策においては、これら「病原体(感染源)」「感染経路」「宿主」の要因のうち1つでも取り除くことが重要ですが、特に「感染経路を断ち切るための対策」が重要となります。
感染経路
感染経路は主に「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」「媒介感染」の4つがあります。
【接触感染】
病原体(感染源)に汚染されたものをさわることで起こる感染です。
具体的には次のような場合が考えられます。
汚れた手で顔の粘膜(口、鼻、目)をさわる
汚れた手で食事をする
握手などで感染者の汚れた手に直接触れる
汚れたドアノブや手すり、おもちゃなどをさわる
■対策
接触感染に対しては次のような対策が有効です。
手洗い、消毒で手指を清潔に保ち、病原体を持ち込まない
ドアノブや手すり、おもちゃなど、よく触れるものはこまめに消毒する
外から帰ったら手洗い、うがいを習慣にする
タオルの共用を避ける
感染者のお世話をするときは使い捨ての手袋を着用する
【飛沫感染】
感染者が会話や咳、くしゃみをした際に病原体(感染源)を含む飛沫(小さな水滴)が飛び、それを吸い込むことで起こる感染です。
飛沫は体内から放出されるとすぐに地面に落ちますが、飛び散る範囲は1~2mといわれ、その範囲内にいると目、鼻、口の粘膜にくっつき感染します。
■対策
飛沫感染に対しては次のような対策が有効です。
マスクを正しく着用する
咳やくしゃみをする際にマスクがないときはハンカチや袖で鼻や口をおさえる
充分な換気を行う
マスクを外した後の手洗い
【空気感染(飛沫核感染)】
感染者が会話や咳、くしゃみをした際に出た飛沫が蒸発して小さな飛沫核となることで長期間空中に浮遊し、それを吸い込むことで起こる感染で、飛沫核感染ともいいます。
空気の流れによって広範囲に拡散するため、感染者から十分な距離を取っていても感染します。
■対策
空気感染に対しては次のような対策が有効です。
マスクを正しく着用する
充分な換気を行う
空気清浄機などを用いて空気を清浄化する
マスクを外した後の手洗い
【媒介感染】
媒介感染には「食品による感染(経口感染)」「虫による感染」「動物による感染」「血液による感染(交差感染)」があります。
1.食品による感染(経口感染)
病原体(感染源)を含む食品や水を食べたり飲んだりすることで起こる感染です。
食中毒はこの感染経路で発生し、一度に多くの感染者を出すこともあります。
■対策
食品による感染の対策は次のようなものがあります。
衛生的な場所で食品を取り扱う
生水や生肉を口にせず、加熱調理をして食べる
食事の前の手洗い、調理器具の洗浄
下痢や嘔吐の症状がある場合は、食品を取り扱う作業をしない
感染者の便や嘔吐物は適切に処理する
2.虫による感染
病原体(感染源)を持つ虫(蚊、ダニ、ノミ、シラミなど)に刺されたり咬まれたりすることで起こる感染です。
■対策
虫による感染の対策は次のようなものがあります。
屋外では虫よけスプレーを使用する
長袖や長ズボンの服を着用する、サンダル履きを避ける
水たまりをつくらないなど、蚊の発生源対策をする
扉や窓の開閉時には網戸を使用する
なお、寄生虫による食中毒も「虫による感染」に含まれますが、対策は食品による感染(経口感染)と同様です。
3.動物による感染
動物による咬み傷や引っかき傷からの病原体(感染源)の侵入以外にも、ペットに口の周りをなめられたり、排泄物を処理して汚染された手で口をさわるなどの原因でも起こる感染です。
■対策
動物による感染の対策は次のようなものがあります。
動物に触れた後や排泄物を処理した後の手洗い
口の周りや傷口をなめさせない
野生動物をさわらない
4.血液による感染(交差感染)
病原体(感染源)を含んだ血液や体液が傷口や粘膜に付着することにより起こる感染です。
輸血や注射針など医療時の事故で起こる場合もあります。
■対策
血液による感染(交差感染)の対策は次のようなものがあります。
医療関係者は適切に個人防護具を着用する
手指、器具の消毒の徹底
特に海外では衛生状態のよい病院を選ぶ
不特定多数との不用意な性交渉を避ける
救護時などに素手での血液への接触を避ける
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